AIと付き合う日常が、いつの間にか当たり前になってきました。
ChatGPT、Claude、Gemini……選択肢は増えて、できることもどんどん広がっています。
でもその一方で、「なんとなく不安」「これって本当に安全なの?」というモヤモヤも消えてはいないんですよね。
少なくともぼくは、ふとしたときにその感覚にぶつかります。
便利であるほど、どこか落ち着かない。
その違和感に向き合ってみたら、「AIとの付き合い方」にもルールというか、ちょっとした“習慣”が必要なんじゃないかと思うようになりました。
今回はそんな視点から、AIを安心して使うための「デジタル衛生習慣」を、自分の経験や調べたことをベースにまとめてみようと思います。
なにをAIに渡していいのか、自分なりのルールを持つ
最初に考えたいのは、「どこまでAIに話していいのか?」というラインの話です。
これ、想像以上にあいまいなんですよね。
便利だからといって、つい勢いで全部話してしまいたくなる。
でも、それが本当に安全かどうかはまた別の問題です。
たとえば、ぼくは以前、ある企画書の草案をChatGPTに添削してもらったことがありました。
文章をよりやわらかくしたくて相談したんです。
ただその中には、社名や進行中のプロジェクト名も含まれていて、あとから「これ、外に出たらまずいかもしれないな…」と心配になったんですよね。
もちろんAIは「情報を外部に送信しません」とは言っています。
でも、その言葉を100%信じてよいのか?といえば、疑問は残ります。
なぜなら、こちらには中身が見えないからです。
だから最近は、「これをリアルの会議室で他人に読まれても平気か?」という基準を自分の中に持つようにしています。
それがひとつの“衛生習慣”になっているというか、入力する前に一瞬立ち止まるクセがつきました。
あと、これは自分の中で地味に効いているんですが、「リアルな個人情報は絶対に打ち込まない」というルールも徹底しています。
電話番号、住所、パスワード……当然のことのようで、慣れてくるとついうっかり書き込んでしまいそうになるんです。
デジタルって、境界線が見えにくいぶん、つねに自分で線を引かないといけない。
これは紙のメモや口頭の会話にはなかった感覚かもしれません。
AIを“なんでも屋”にしないという意識を持つ
AIはたしかに便利です。
いろんな質問に答えてくれるし、知らないことをわかりやすく説明してくれる。
でも、だからといって、すべてのタスクをAIに丸投げするのはちょっと危険だなと感じています。
たとえば、日常の中でよくあるのが、「アイデアが出ないからAIに頼ろう」という場面。
ぼくもよくやります。でもこれって、続けていると自分の発想力が少しずつ鈍ってくるんですよね。
なんというか、「自分の頭を使わなくても答えが出てくる」という感覚に慣れてしまうというか。
これ、地味に怖いです。創造力って、筋トレと同じで、使わないと衰えていくんだと思います。
だからぼくは、AIには“ヒントマン”ぐらいのポジションでいてもらうようにしています。
「全部任せる」じゃなくて、「ちょっと考える材料をもらう」みたいな距離感がちょうどいいんですよね。
もうひとつ、AIに“判断”を任せるのもあまりよくない気がします。
とくに仕事で、ちょっと繊細なニュアンスを含んだメールを打つときなど、「これでいい?」とAIに聞きたくなることがあります。
でも、そういうときこそ、自分の言葉で最後まで責任を持ちたい。
結局、AIがどれだけ高機能でも、その答えを使うのは人間です。
間違いやトラブルが起きたとき、「AIがそう言ってたから」では済まされない。そう思うと、使い方を見直すきっかけになります。
情報は「残るもの」という前提で向き合う
AIと接するときに意外と見落とされがちなのが、「打ち込んだ情報が本当に消えるとは限らない」という感覚です。
削除機能やプライバシー設定には限界がある
たとえチャット履歴を削除できる機能があっても、それだけで完全にデータが消えるとは限りません。
ChatGPTにも「チャット履歴を無効にする」オプションがありますが、それがどのレベルで情報を消去してくれているのか、使う側からは確認できないのが現実です。
Claudeについても同じようなことが言えます。
Anthropicが「ユーザーのプライバシー保護を重視している」と発信しているのは事実ですが、それが実際にどこまで機能しているのかは見えにくい部分です。
この不透明さが、じわじわとした不安を生み出す原因になっているように思います。
ユーザー体験からくる違和感がヒントになることも
自分の体験としては、SNSで見かけた「ChatGPTに入力した文章が、別の文脈で再登場していた」という投稿がかなり印象に残っています。
もちろん真実かどうかはわかりません。
でも、それを目にしたとき、なぜか背筋がぞっとしたんですよね。
この感覚って、わりと大事なんじゃないでしょうか。
AIを信頼しすぎてしまうと、こうした違和感を見逃してしまうかもしれない。
でも逆に、その“ちょっとした怖さ”が、「情報は残るものだ」と意識を持つきっかけになってくれます。
初期設定を確認することがリスク回避の第一歩になる
それともう一つ、Googleの「Gemini」で見かけた仕様も気になりました。
初期設定のままだと、ユーザーのデータをAIの学習に使うようになっているんです。
つまり、明示的にオフにしなければ、自分の発言が学習に活用されてしまう可能性があるということなんですよね。
こういう仕様って、さらっと説明されていても、ちゃんと目を通さないと気づきにくいものです。
でも、だからこそ「設定を確認する」「利用規約をざっと読んでおく」といった習慣が、自分を守る盾になってくれると思っています。
面倒でも、ちょっとした確認の積み重ねが、長い目で見ると安心につながるんですよね。
まとめ
AIはすごいし、これからの生活にとって欠かせない存在になっていくでしょう。
でも、その便利さの裏には、見えないリスクも確実にある。
それは誰かが守ってくれるものではなく、自分で気づいて、自分で線を引くしかないものなんですよね。
だからぼくは最近、AIを使うとき、少しだけ“疑う力”を働かせるようにしています。
「これって本当に安全か?」「自分の情報、ちゃんと守れてるか?」って、軽く心の中で問いかけてみる。
その一瞬の違いで、使い方が変わってくると思うんです。
AIと安心して付き合っていくためには、専門知識よりも、自分なりのルールとか、ちょっとした習慣が大事なんじゃないかと。
いわば「デジタル版の手洗いうがい」みたいなものですね。
習慣になってしまえば、自然と安全な使い方が身についてくるはず。
これはぼく自身が少しずつ実感していることでもあります。
最初はぎこちなかったけれど、今では入力前に軽くチェックしたり、使った後に履歴を振り返ったりするのが当たり前になってきました。
便利なツールだからこそ、慎重に。
信頼するけど、鵜呑みにはしない。
そのバランス感覚が、これからのAI時代にはきっと必要になってくるでしょう。
読んでくれてありがとう。少しでもモヤモヤが整理されたらうれしいです。
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