AIイラスト販売で収益化するというテーマは、もう一部のクリエイターのものではなくなりました。
最近は副業として「AIで作ったイラストを売りたい」「月5万円くらい稼げるのか知りたい」という相談が本当に増えています。
この記事では、AIイラストを販売して収益につなげるまでの流れを、初心者向けにわかりやすくまとめます。
どこで売ればいいのか、どんなジャンルが売れるのか、どうすれば継続的に伸ばせるのか。
実際のエピソードも交えながら深掘りしていきます。
AIイラスト販売どこで売る?

AIイラスト販売は、AIで生成した画像や、AIを使って作ったベース画像を人の手で仕上げたイラストをデータとして販売し、収益を得る方法です。
これまでイラストは描ける人だけの世界というイメージがありましたが、今は生成AIと画像編集ツールのおかげで参入のハードルがかなり下がっています。
もともと文章を書くのが苦手で、記事一本に何日もかけていた時期がありましたが、AIを取り入れてからは下書きのスピードが一気に変わりました。
同じことがイラストの世界でも起きていると考えるとイメージがつきやすいかもしれません。
AIイラスト販売の魅力は、データに在庫という概念がないところです。
同じ作品が何度も売れる可能性があります。
実物の商品を発送する必要がなく、購入者はダウンロードしてすぐ使えるので、販売側も購入側もテンポがいいのが特徴です。
これは最初の一歩としては心強いポイントでしょう。
ただ、勘違いしやすいのは「AIでたくさん画像を出して並べれば勝手に売れる」というほど甘くない部分です。
ブログでAIが吐き出した文章を並べただけでは読まれないのと同じで、買い手の目的に沿った作品だけが選ばれます。
つまり、AIイラスト販売は作品の質だけの勝負ではなく「どこで売るか」「どんな用途に向けて売るか」という場所選びとターゲット設計の勝負でもあるのです。
プラットフォーム選びが収益を左右する理由
最初に迷うのは「どこで売るか」だと思います。
販売先によって、買い手の目的も、求められるジャンルも、支払われる単価も違います。
国内向けのプラットフォームは日本語だけで始められる安心感がありますが、似たジャンルの出品が集中しやすいので競争も激しいという印象があります。
海外向けのプラットフォームは英語対応が必要ですが、単価を少し高めに設定しやすかったり、ポスターとして使うようなアート系の需要を拾いやすいという面があります。
この差を理解しないまま、どこにでも同じものを置くと、反応が薄い状態が続いてしまうことがあります。
逆に「この場所はこの人たちに向ける」と決めると、売れ方が急に変わることがあります。
国内向けで使いやすいBoothという選択
国内でAIイラストの販売先としてよく名前が挙がるのがBoothです。
Boothは同人や創作文化との相性が良いプラットフォームで、手数料はおおむね一〜二割程度とされることが多い一方、デジタルデータをそのままダウンロード販売できます。
オリジナルキャラクターの立ち絵やSNSアイコン向けのイラストが売れやすいのが特徴で、セットをワンコイン程度で出しただけで購入通知が来たという話もよく聞きます。
Boothの強みは「買ってすぐ使える」ことです。
配信活動を始めたい人や、SNSで新しいアイコンが欲しい人にとって、今すぐ使えるビジュアルは価値があります。
逆にいうと、凝った世界観に入り込む前の「スタート用の見た目」が求められているとも言えます。
ただ、BoothはAI作品なら何でも受け入れるわけではありません。
2025年にかけて、BoothはAIイラストの扱いを明確にし始めていて、特定の有名作家の画風を再現しただけの作品、似た画像を大量に出すだけのショップ、いわゆるスパム的な出し方には厳しい姿勢を見せています。
具体的には、検索結果から除外される、アカウントの公開範囲を制限される、最悪の場合は停止まであるというルールが公表されるようになりました。
これは「AIイラストを禁止したい」というより「他人そっくりで大量にばらまくやり方はやめてほしい」という方向です。
つまりオリジナル性や透明性を意識すれば、活動しやすい場所でもあります。
依頼型で稼ぎたいならSkebというやり方
Skebも国内で人気の場所です。Skebは出品して待つというより、依頼が届くスタイルです。
「未来的な都市のイラストが欲しい」「和服のキャラクターの立ち絵が欲しい」といったリクエストに応える形になるので、単価を自分である程度コントロールしやすいのが特徴です。
AIでベースを作り、そこに調整をかけて仕上げるという運用をしているクリエイターもいます。
ありがたいのは、買い手の目的が最初から明確なことです。
配信で使いたい、ゲームの立ち絵にしたい、TRPGのキャラとして使いたい、といったゴールがはっきりしているので、無駄撃ちになりにくいという強みがあります。
商用需要を拾えるPIXTAというルート
PIXTAは素材系の需要が強いプラットフォームです。
広告やバナー、プレゼン資料、ウェブ記事のアイキャッチなどにすぐ使える背景・パターン・イメージカットのニーズがあります。
手数料は三〜四割と高く感じるという声もありますが、その代わり「まとめ買い」が起こるのがPIXTAの特徴です。
例えば、同じテイストの背景画像を複数まとめて購入され、じわじわ収益が積み上がるようなイメージです。
このタイプは派手なバズは起きにくいものの、安定して買われる可能性があります。
いわば息の長い土台になる分野です。
海外向けのEtsyやGumroadで広がる可能性
海外向けに視野を広げると、EtsyとGumroadの名前は避けて通れません。
Etsyは世界中のユーザー向けにイラストやアートを出品できるマーケットです。
英語での説明文が必要にはなりますが、単価を高めに設定できる場面も出てきます。
特に、部屋に飾るポスターとしてのアートや、スマートフォンの壁紙用に使えるデザインは、海外ユーザーが好んで購入します。
国内では「ちょっと派手かな」と敬遠されるようなビジュアルでも、海外だとむしろ部屋のアクセントとして歓迎されることが多いのが印象的です。
Gumroadはデジタルデータをそのまま売るのに向いています。
例えば、配信画面で使えるオーバーレイ素材一式、VTuber風の立ち絵とアイコンと背景のセット、YouTubeのサムネ用背景パックなど、まとめ売りがしやすいのが特徴です。
決済から配布までがスムーズなので、制作から販売までの距離が短いのも魅力です。
継続的な支援を狙うPatreonという考え方
Patreonは月額課金で支援を受ける形のプラットフォームです。
この場所では、完成品だけでなく、制作の裏側や調整前後の比較、使用したプロンプトなども含めて「クリエイションそのもの」を売ることができます。
単発の販売よりも、支援という形で毎月の固定収益を作れるのが魅力です。
英語でのやり取りが前提にはなりますが、一度ファンがつくと長く応援してもらえる可能性があります。
売れるAIイラストはどんなジャンル?



AIイラスト販売で月5万円を現実的な目標にするには、需要のあるジャンルから入るのが近道です。
ここからは、実際に動きやすいジャンルと、買い手の気持ちをもう少し深掘りしていきます。
VTuber風の立ち絵やSNSアイコンとしてのキャラクター
まず目立つのはキャラクター系です。
とくにVTuberの立ち絵のような全身イラストや、SNSアイコン向けの上半身イラストは、今も安定して売れています。
理由はシンプルで、配信活動や動画投稿を始めたい人が「今すぐ使える自分の見た目」を必要としているからです。
完全オリジナルのイラストレーターに直接依頼すると時間も費用もかかりますが、すぐに使える立ち絵やアイコンが買えるなら、とりあえず活動をスタートできます。
このとき、意外と喜ばれるのは「どこかの人気キャラそっくり」ではなく、「誰のものでもないオリジナル感のあるキャラ」です。
自分だけの顔を持ちたい、というニーズがあるので、版権に寄せすぎると逆に避けられることがよくあります。
AIイラストに対しては「AIだからダメ」というよりも、「オリジナルとして活動に使えるかどうか」のほうが実は大事にされている場面も多いのです。
ダーク系キャラクターや世界観のある人物デザイン
かわいいキャラだけが売れるわけではありません。
黒や赤を基調にしたダーク系のキャラクター、冷たい表情の剣士、魔術師のような雰囲気を持つキャラクターなど、重めの世界観をまとうビジュアルにも根強い需要があります。
TRPG用の立ち絵や、個人制作のゲームの主人公・敵役として使いたいという相談が来ることもあり、少数でも熱量の高い購入につながりやすいという特徴があります。
ダーク系は購入数こそ少なめでも、単価を少し高めにしても受け入れられることがあり、濃いファン層に支えられる形になることが多いです。
量より濃さで支えられるジャンルだと考えるとわかりやすいでしょう。
デフォルメやミニキャラの安定した人気
頭身を下げたミニキャラ、いわゆる二頭身や三頭身のデフォルメキャラもずっと人気が続いています。
ミニキャラはアイコンとして使いやすいだけでなく、グッズ展開をイメージしやすいという点で強いです。
ステッカーにしたい、アクリルスタンドにしたい、キーホルダーにしたいといった実用的なニーズにつながりやすく、まとめ買いにつながることもあります。
この分野は、シリーズ化がしやすいのもポイントです。
例えば、同じテイストのミニキャラを季節ごとに着せ替えて出すなど、コレクションとして揃えたくなる見せ方ができると、リピートにつながります。
背景素材や配信画面パーツのような「すぐ使える道具」
キャラクター以外に、背景素材や配信画面の装飾パーツ、サムネイル用の背景画像など、商用や制作現場での「すぐ使える道具」も大事な稼ぎどころです。
YouTubeのサムネイル、ブログのアイキャッチ、配信の待機画面。
このあたりは毎回必要になるのに、オリジナルで作ろうとするとかなり時間がかかります。
そこで、既に整えられた背景素材やフレームのセットが欲しいという流れが自然に生まれます。
素材系は、PIXTAのようなストック型サービスと相性がいいだけでなく、Gumroadのようなデータ販売サイトでもセット売りと組み合わせると強いです。
配信画面一式、サムネ背景一式、アイコン用フレーム一式というかたちでまとめれば、一点ずつの単価を上げやすくなり、購入者も「これさえあれば揃う」という安心感を得られます。
海外向けのポスター系アートや抽象デザイン
海外向けには、部屋のアクセントになるようなアブストラクトなイラスト、壁に飾ることを前提にしたポスター寄りのデザインが動きやすい傾向があります。
Etsyで売れるのは、日常のインテリアにすっとなじむようなデザイン、あるいはちょっと刺激的で印象に残るビジュアルです。
国内では「ちょっと派手すぎるかも」と感じた作品でも、海外ユーザーには「部屋の雰囲気が一気に変わる」と受け入れられることがあります。
ここは発想の差がそのまま収益の差になるので、海外にも目を向ける価値はあるでしょう。
月5万円ラインを現実にする進め方・長く続けるコツ



AIイラスト販売で継続的に月5万円を目指すのは、決して夢物語ではありません。
ただ、一発のバズに頼るより、土台を整えてじわじわ積み上げるほうが確実に近づきます。
ここでは、始めたばかりの段階から意識しておきたい考え方を、もう少し突っ込んでお話しします。
得意なジャンルを一つ決めて、そこに特化したストアを作る
最初は「あれもできる、これもできる」と見せたくなるものですが、購入者の視点では専門性のあるお店のほうが安心してお金を払いやすいです。
立ち絵専門なら立ち絵、アイコン専門ならアイコン、背景素材専門なら背景素材というふうに、まずは一つに寄せると伝わり方がきれいになります。
ブログでも、雑記ブログより特化ブログのほうが読者に刺さりやすいのと同じです。
特化させると、説明もしやすくなります。
たとえば「このショップは配信用立ち絵とアイコンに特化しています」という一文があるだけで、購入者がページの目的を理解しやすくなり、滞在時間がのび、購入確率も素直に上がります。
プラットフォームの規約と商用利用の条件をきちんと読む
これはかなり大事な話です。
AIで生成したイラストは便利ですが、どこまでが商用利用OKなのか、どこからがNGなのかはツールごとに違います。
また、販売サイト側にも「AI作品の扱い」のルールがあります。
BoothのようにAIイラスト自体は禁止していない場所でも、特定の作家の画風を真似した作品や、似た画像を大量に並べるやり方には厳しい対応をとるという方針が打ち出されています。
この流れは今後さらに強くなるはずです。
販売前に、使っているAIツールが商用可能なプランかどうか、販売プラットフォームがAI作品をどう扱うかを確認しておくと、後のリスクを大きく減らすことができます。
これは単に法律的な意味だけでなく、アカウント停止でビジネスそのものが消えるのを防ぐという、現実的な意味があります。
作品の制作過程を記録しておくことの価値
どのツールを使って、どんな指示を入力して、どこを手作業で修正したのか。
制作の流れをスクリーンショットやメモで残しておくのは、あとで本当に役立ちます。
誰かに「それ他人の絵に似ていませんか」と言われたとき、制作過程を示せるだけで説明の角度が変わります。
これは買い手への信頼にもつながりますし、プラットフォームの運営側とやり取りになったときにも有効です。
ブログでも、検索エンジンから「その文章はどこかのコピーではないか」と判定されないように下書き段階の記録を残すことがあります。
イラストでも、同じような自己防衛は必要だと感じます。
商品ページに「使い道」をしっかり書く
商品ページには、ただ画像を貼るだけでなく「この画像はどんな場面で使えるのか」を言葉で書いておくことが大切です。
配信用の立ち絵として使えるのか、SNSアイコン向けなのか、YouTubeサムネの背景用なのか、インテリアのポスター用なのか。
目的がはっきりすると、購入者は迷わなくなります。迷いが減ると、購入に進みやすくなります。
さらに、画像サイズ、解像度、透過PNGの有無、PSDデータの有無など、実際の運用に必要な情報を先に書いておくと、購入後のトラブルも防げます。
これは自分が画像素材を買う側に回ったときにいちばんありがたい部分で、用途がイメージできると即決しやすいのです。
SNSで制作途中を見せて、信頼ごと届ける
販売ページだけに頼るのではなく、XやInstagramなどで制作途中の様子をこまめに見せるのもおすすめです。
完成品だけを出すと宣伝っぽくなることがありますが、ラフ段階や色調整の途中を見せると、その制作プロセス自体に興味を持ってもらえることがあります。
Patreonのような月額支援サービスでは、まさにその「過程」自体を価値に変えていくスタイルが定番化しています。
SNSでの発信は営業トークではなく、日記の延長くらいの温度感のほうが反応が良いことも多いです。
「今日は配信用フレームの色味を調整しているところです」といった、ごく普通の一言が販売ページへのアクセスを増やすことがあります。
これはブログでも同じで、更新のお知らせをがっつり宣伝風に書くより、ちょっとした思いつきや感想を添えたほうが読まれることはよくあります。
限定テーマや季節ものを入れて、短期的な売上の山をつくる
安定して売れる定番ラインとは別に、季節限定のテーマは短期的な売上の山を作るのに有効です。
クリスマス、ハロウィン、夏祭り、バレンタインといった季節ネタは、アイコンも背景も一気に需要が上がります。
冬のニットを着たキャラクター、浴衣姿の立ち絵、期間限定の配信オーバーレイなどは、二週間から一か月くらいの短いスパンで一気に動くことがあります。
この感覚は、ブログの記事タイトルに季節ワードを入れてアクセスが跳ねるときとよく似ています。
長く読まれる記事も必要ですが、瞬間的に読まれる記事も全体の底上げになります。
AIイラスト販売でも、長期ラインと短期ラインを並べておくことで、月5万円ラインがグッと近づきます。
長く続けられるやり方をあらかじめ決めておく
AIイラスト販売は、スポットで当てて終わりというより、じわじわ積み上がっていくタイプの副業です。
配信者の立ち絵は活動の顔として使われ、背景素材やサムネ用の背景は動画やブログの更新のたびに必要とされ、ポスター系アートは部屋の一部として長く使われます。
つまり、一度購入した人が何度も戻ってきてくれるルートがちゃんと存在します。
その流れを育てるには、プラットフォームのルールを守ることと、似すぎたものを売らないことが欠かせません。
特定の作家の画風に極端に寄せたイラストや、同じような画像を大量に並べるだけの出品は、これからさらに厳しく監視されるでしょう。
逆に、きちんとオリジナル性を出しつつ、用途を明確に示し、制作プロセスも開示していけば、安心して長く続けやすくなります。
まとめ



AIイラスト販売で月5万円は現実的な目標です。
大事なのは、誰に向けて何を売るのかをはっきり決めること。
販売先のルールを理解して、その場所に合った形で並べること。
使い道を言葉で伝え、必要な情報を丁寧に書くこと。
そして、定番と季節ものを組み合わせて、安定と瞬間の両方から売上を作ることです。
ブログ運営がそうであるように、積み上げていくことで結果が出るジャンルなので、まずは一つのジャンルにしっかり腰を下ろしてみるのが近道になるでしょう。










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