富士通が国内工場でAIサーバーの製造を始めると発表しました。
開始時期は2026年3月です。
製造場所は石川県にある富士通グループの工場です。
ここで作られるのは、生成AIや業務用AIを動かすためのサーバーです。
海外で組み立てた機械を輸入する形ではなく、日本の工場で組み立て、日本の管理体制で出荷する流れになります。
この発表は、単に「新しいサーバーを出します」という話では終わりません。
どこで作るのか、どの部品を使うのか、どの市場に向けて出すのかが、かなり具体的に示されています。
AIという言葉が先に立つと話がぼやけやすいですが、今回は工場、開始月、部品構成、販売先までが明確に区切られています。
製造開始の中身と工場で行われる作業
アホみたいにAIの投資とか始まってるぜ!テグスタグネーション的技術的変異点による崩壊から延命する逃げ道はこれしかないなりだからな(笑)ヽ(´ー`)ノ
富士通、国内工場でAIサーバー製造開始 日本製モデルを3月投入(ビジネス+IT)https://t.co/PGMbUR3mjW
— まとぅー (@matooo777) February 13, 2026
まずは何が実際に行われるのかを、工程ごとに整理します。
3月から装置組立を開始し、基板も国内で作る流れ
2026年3月から始まるのは、AIサーバーの装置組立です。
筐体に電源、冷却装置、基板、GPUなどを組み込み、出荷できる状態まで仕上げる工程です。
加えて、同じ工場でプリント基板の組立も順次行われます。
基板の組立開始は3月より後になりますが、国内で完結させる計画が示されています。
この点が重要なのは、最終工程だけを日本で行うのではないからです。
どの基板を使い、どこで組まれたかを追える状態で製造することが前提になっています。
調達経路をまとめて管理できる形を取るため、後から部品の入れ替えや仕様変更が起きた場合も、国内で把握できます。
組み込まれるGPUとサーバーの用途
製造されるAIサーバーには、生成AIや大量の推論処理を前提としたGPUが組み込まれます。
GPUはNVIDIAのBlackwell世代です。
具体的には、データセンター向けの構成と、業務用に使われる構成の両方が想定されています。
ここで重要なのは、研究用途ではなく「業務で常時使う前提」の構成である点です。
昼夜を問わず動かし続ける、止められない業務に使うことを前提にしています。
そのため、冷却方式や電源設計も、短時間の高速処理より安定稼働を重視した設計になります。
日本向けAI基盤として使われる場面
富士通、AIサーバーの国内製造を開始–データ主権や透明性を確保 – ZDNET Japan https://t.co/12PQpqMDks
"サーバーは、「NVIDIA HGX B300」「NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition」のGPU構成で、3月から国内生産を開始。笠島工場(石川県かほく市)でプリント基板組み立てや装置組み立て"— ねこさん⚡(ΦωΦ) (@catnap707) February 12, 2026
次に、このAIサーバーがどこで使われる想定なのかを見ます。
国内で処理を完結させたい業務
想定されているのは、社内文書の要約、問い合わせ対応、設計データの解析、業務ログの分析などです。
これらは外部にデータを出さず、社内や国内拠点で処理したい業務です。
海外のクラウドに送ると、契約や管理が複雑になるケースが多く、担当部署の負担が増えます。
国内工場で作られたサーバーを国内のデータセンターに置くことで、データが国外に出ない構成を作れます。
これは「便利だから」ではなく、社内規定や取引条件で求められるケースが増えているためです。
日本向けAIモデルを載せる前提の構成
3月以降に投入されるAI基盤は、日本語を前提にした業務処理で使われます。
社内文書、契約書、報告書、問い合わせ文など、日本語の比率が高いデータを扱う前提です。
英語中心の公開モデルをそのまま使う形ではなく、企業ごとの業務データを載せて運用する用途が中心になります。
そのため、GPU性能だけでなく、長時間の連続稼働や障害時の切り分けが重視されます。
サーバーが止まった場合、どの部品に問題があるかを国内で即座に確認できる体制が前提になります。
海外展開を前提にした設計と国内製造の関係
国内向けだけで終わらない点も、この話の特徴です。
欧州向けにも同じ構成を出す計画
富士通は、この国内製造のAIサーバーを日本市場だけでなく、欧州向けにも出す計画を示しています。
欧州では、業務データの取り扱いに関する規制が厳しく、処理場所や管理体制が問われます。
そのため、製造工程が明確で、管理体制を説明しやすいサーバーが求められます。
日本の工場で組み立て、構成を固定した状態で出荷する形は、こうした要求に合わせやすい構成です。
どの部品が使われているかを説明できる点が、営業上の材料になります。
自社プロセッサを載せる計画との関係
富士通はGPU構成だけでなく、自社開発プロセッサを載せたサーバーも同じ流れで製造する計画を示しています。
こちらはGPU中心ではなく、消費電力を抑えた構成で、常時稼働する業務向けです。
この2種類を同じ工場、同じ管理体制で作ることで、用途に応じて構成を切り替えられます。
生成AI向け、業務処理向けというように、用途別に選べる形になります。
まとめ
今回の富士通の発表で分かった事実は明確です。
2026年3月から、石川県の国内工場でAIサーバーの装置組立を始めること。
GPUはBlackwell世代を使い、生成AIや業務用AIを動かす前提の構成であること。
基板の組立も国内で行い、製造工程を日本側で管理すること。
日本向けの業務処理だけでなく、欧州向けの出荷も視野に入れていること。
これは「AIがすごい」という話ではありません。
どこで作り、どこで動かし、どこで管理するかを、企業側が選び直す動きです。
富士通はその選択肢として、「国内で作ったAIサーバーを国内管理で使う」という形を、具体的な日付と工場名つきで示しました。
この動きが広がるかどうかは、性能ではなく、運用のしやすさと説明のしやすさで決まります。
そこをどう評価するかが、これからの判断ポイントになります。

コメント